河内長野市9月市議会が9月1日から25日までの日程で開かれました。
日本共産党議員団の質問と活動内容などをお知らせします。
公共交通の存続を
南海バスは10月から一部路線の廃止と減便を実施しました。背景には、乗客の減少や運転手不足があります。南海バスでは、年間約1億3千万円の赤字が続いていました。
交通弱者への対策を急げ
今回の路線再編では、すべてのバス停が存続したものの、路線の廃止により目的地まで複数回の乗り継ぎが必要となり、時間や費用の負担が増えています。
日本共産党は9月議会で、低所得者へのバス料金補助や乗り継ぎ割引の導入を提案しました。また、大幅な路線廃止が予定されている地域の住民の声を丁寧に聞くことや、市内各地で行われている福祉法人による移動支援との連携・フォローアップの可能性についても提案しました。
路線維持が今後の課題
将来的には、さらなる廃線や減便も予想されています。市は10月から「第1・第3土曜日バス無料デー」の事業を始めましたが、現行のバス路線を維持するには十分とは言えません。
日本共産党は、バス定期券購入への補助を提案。また、現在、駅まで車や自転車などバス以外の手段で来ている人々に、バス利用へ切り替えてもらう施策こそが、現実的に利用者を増やす方法だと訴えています。
スマホから簡単に
500円で1日バス乗り放題
河内長野市内の南海バスとモックルバスが1日乗り放題となる「モックルチケット」をスマホアプリで購入できます。
定価700円のところを来年3月まで500円に割引中です。
日本共産党は、割引の延長と、スマホ操作に不慣れな人のための講座の充実を求めています。
【 問い合わせ 】 モックルチケットに関する相談は、市役所・移動支援公共交通グループまで。
近大病院が泉ヶ丘へ移転
11月6日から外来診療開始
完成間近の近大病院(泉ヶ丘駅北側)
大阪狭山市にある近畿大学病院が、11月から泉ヶ丘(堺市南区)の公園・プール跡地へ移転します。最寄りの泉ヶ丘駅から歩いて8分ほどの場所です。
移転後、現在の病院跡地については、大阪狭山市が「住宅」「お店」「レクリエーションの場」などを配置した、いくつかの活用案を示しており、市民アンケートも行われました。今後跡地は、まちづくりに生かされる予定です。
交通の便については、現在、河内長野駅~千代田駅~近大病院~泉ヶ丘まで行くバスがありますが、9月30日でこの路線はなくなりました。移転までは南海電車で金剛駅まで行き、そこから泉ヶ丘行きのバスを利用できます。料金は少し高くなりますが、本数はとても多いため、利便性は大きくは損なわれない見通しです。
移転後は、その同じルート又は南海電車を利用することになります。
一方で、救急車が病院に到着する時間は5〜6分ほど長くなる見込みです。
また、近大病院は災害時に重要な役割を担う災害拠点病院でもあるため、災害時の体制にも不安があります。日本共産党は今議会で「大阪南医療センターを災害拠点病院にして行けないか」や「新しい近大病院への交通アクセスをもっとよくできないか」など提案しました。
金剛・泉ヶ丘を結ぶバス(泉ヶ丘駅南側バス停)
赤峰の完成予定は?
赤峰産業用地と新給食センターの整備が進んでいます。2026年7月に用地を引き渡す予定です。
新給食センターは2027年1月から運用、中学校全員給食が始まります。
赤峰産業用地・給食センター立地予定図
新給食センター完成予定図
だばなか 大介 議員の代表質問より
誰もが自分らしく
多様性をはぐくむ社会に
<質問>
排外主義は許されない。市長の考えは。
<答弁>
異なる信仰や民族を排除するのは憲法違反。
<質問>
赤峰産業用地化など外国人労働者増加が見込まれる。多文化共生社会を。
<答弁>
外国人は1102人、3年間で2倍以上の増加。外国語表記を整える。
<質問>
LGBTQへの理解促進の機会を。
<答弁>
庁内でレインボーフラッグを設置している。展示会なども取りくみたい。
<質問>
市条例の事実婚規定に同性婚も含めるべき。
<答弁>
国の動向も見て、できるところは努力したい。
<質問>
生理用品を小学校のトイレの個室にも配置を。
<答弁>
生理用品の管理と子どもへの指導を担う教職員の意見も聞き検討する。
<質問>
生理は学校が管理・指導するものではなく、子どもの権利。科学的な知識と相手の尊厳も含めて、男女ともに包括的性教育の立場で性教育を。
<答弁>
国際的に性教育の遅れを指摘されていると認識している。養護教員が先進的に研究し進めている。
<質問>
不登校の子どもに通学費補助を
<答弁>
研究を進める。
<質問>
フリースクールとの連携と財政的支援を
<答弁>
財源の確保も踏まえて検討する。
<質問>
ブラック校則をなくし、子どもが校則の策定を。
<答弁>
子どもたちが自ら考え、よりよい学校生活を築けるよう、指導助言したい。
<質問>
高校入学準備金の創設を。
<答弁>
制度構築を目指し、検討を進めたい。
<質問>
企業が奨学金代理返済を促進する仕組みを。
<答弁>
企業紹介ガイドブックで、奨学金返還支援をしている企業をPRしたい。
自然と共に暮らすまちに
<質問>
剪定枝を資源ごみとして回収を。
<答弁>
先進事例や費用対効果を踏まえ検討する。
<質問>
プラごみの回収日を増やすべき。
<答弁>
アンケートなど多角的な視点から検討する。
<質問>
農業の担い手を全国に募集する提案をしたが、進捗は。
<答弁>
営業部とも連携し早急に対応する。
バス廃止の不安に応えよ
<質問>
改編の大きい地域に住民説明会を。
<答弁>
影響が大きい自治会にお伺いしている。加えてアンケート調査を行う。
<質問>
福祉法人による移動支援などのバス運行でフォローアップを。
<答弁>
新たな社会福祉法人にお声かけを進める。
宮本 さとし 議員の個人質問より
市民負担を減らしながら南海バスとの共存を
バスのお出かけチケット・乗り継ぎ割引の復活、通学定期への補助、シニアカー購入補助などでバス利用の応援。11月の近大病院の移転にともなう利用者の負担軽減などを求めました。
さらに、今回はタクシーチケットとして交付されたお出かけチケットはバス・タクシーの選択ができる仕組み作り。モックルマースのサービス(1日乗り放題700円→500円)を広くPRし、次年度についても継続するよう提案しました。
いじめ対応で行政が問題解決に?
市が「いじめ」に対応する「いじめから守り、なやみによりそう条例(案)」を市長提案で検討していることがわかりました。
教育委員会と市はそれぞれ独立した機関です。加害児童の人権保護や政治介入などの視点で質問しました。
<質問>
学校と連携するのか。
<答弁>
基本連係するが様々なケースがあるので案件による。
<質問>
被害者を守る視点以外に「なくす」ことへのアプローチはあるのか。加害者への指導には責任を持つのか。
<答弁>
いじめをしなくなることを見守るが、 加害者の指導は教育委員会にまかせたい。
<質問>
市長は学校等に対して是正勧告をおこなうことができる(出席停止など)とあるがどのようなケースか。
<答弁>
法令に照らしむやみに勧告するものではない
宮本議員の主張 行政から学校への勧告は教育の独立性、政治的中立性の一線を超えている。勧告権限を盛り込まなかった市もある。課題も多くさらに議論が必要です。
施設の適正管理を
<質問>
コミプラの跡地や緑地の維持管理は市民の要望に応えられていない。計画的に予算をつけて整備を。
<答弁>
建物等の除却に莫大な費用がかかることが想定される。公民連携の仕組みを活用し施設の活用や経費削減につながる方策を探っていく。
にわ実議員の個人質問より
生活保護世帯へのエアコン設置補助を
<質問>
生命を脅かす猛暑の中エアコンのない生活保護世帯数は。エアコン設置補助制度の創設を。
<答弁>
17世帯。
貸付制度を紹介している。冷房費の夏季加算を国に要望している。
<質問>
この猛暑の中17世帯の方々がエアコンなしで過ごされ、幸い事故がなかった事をどう考えているのか。
<市長の答弁>
厳しい環境で過ごされたと思う。今後補助が必要かどうか検討する。
近大病院移転に伴う市民不安の解消を
<質問>
近大病院は3次救急と災害拠点病院を兼ねている。大阪南医療センターが災害拠点対応病院となるよう支援を。
<答弁>
既に「市災害医療センター」として位置づけられており災害時は近大病院とも連携する。可能な支援をする。
大地震に備え家具転倒防止補助制度の創設を
<質問>
生命や財産を守る点でたいへん有効で他自治体でも実施している。創設を。
<答弁>
有効性は認識しており、設置作業も含む支援を高齢者や障がい者に対し検討中。
ゼロカーボンに向けて
<質問>
気象庁観測の始まって以来の猛暑であり、温暖化は止まっていない。2050年までにCO2排出ゼロの見通しは。
<答弁>
今の施策では達成できない。国や市民・行政・事業者の主体的な生活や活動が積み重なってゼロとなると考えている。長野県飯田市のような市民が取り組みやすい多種多様な政策で検討していく。
よしや峠の拡幅工事を急げ
<答弁>
多額の費用が必要で検討中。
日本共産党 代表質問
だばなか 大介議員 9月10日(水) 13時~
件名1 多様性をはぐくむ社会に。
日本は国連から様々な人権問題について勧告を受けています。
社会的少数者の人権が守られる社会は、誰もが安心して暮らせる社会です。
要旨1 排外主義は許されない。
- 排外主義について市長はどう考えていますか。
- 先の参議院選挙で「生活保護の1/3が外国人」や「健康保険タダ乗り」などデマやフェイクが流され、外国人と犯罪が短絡的に結び付けられてきました。そのような事実はあるのか。また、外国人の納税実態はどうなっていますか。
- 赤峰や高向・上原地区の産業用地をはじめ、外国人労働者の増加が見込まれますが、現状は。多文化共生社会を目指し、事実を知らせるとともに多言語標記など共存の環境を。
要旨2 性的マイノリティの方の人権と生活向上を。
- LGBTQ+の方の割合は。
- 市民への理解促進の機会の拡大を。
- 同性婚を求める人が困っていることは何か。各市条例の事実婚規定について、市の裁量と解釈で乗り越えられるものはないか。
- 職員・教員への講習の充実を。
要旨3 包括的性教育の立場に立って。
- 生理用品を小学校のトイレ個室にも配置を。
- 性と生殖に関する健康と権利の立場からの性教育を。
要旨4 不登校の子どもに寄り添って。
- 全小学校に支援ルームと支援員の配置を。
- 学びの多様化教室「ゆう☆ゆうスペース」のボランティアの謝礼は最低賃金以上にすべき。
- 通学費の補助を。
- フリースクールとの連携を。スキルアップも連携を。
- フリースクールや子どもの居場所に財政的な支援を。
要旨5 朝の子どもの居場所を。
- 朝食の提供も含めた、朝の子どもの居場所づくりを。
要旨6 ブラック校則をなくし、子どもが主人公になり校則の策定を。
- 意義の説明ができない校則はないか。
- 管理的立場からの校則でなく、子どもが主体的につくる校則に。
要旨7 教育の機会均等の保障を。
- 高校入学準備金の構築を。
- 給付型奨学金も視野に。
- 企業が奨学金返済を援助する仕組みづくりの推進を。
要旨8 庁内のハラスメントに関するアンケート調査はどうなっていますか。
件名2 自然とともに暮らすまちに。
要旨1 リサイクル率府内1位を目指して。
- リサイクル率や府内順位が下がってきている原因は。
- 剪定枝を資源ごみとして収集を。
- コンポスト補助などの創設を。
- プラスチックごみの回収回数を増やしてください。
要旨2 農業の担い手を全国に募集する提案をしましたが、進捗は。
件名3 バス路線廃止の不安に応えよ。
要旨1 大幅に廃線となる地域に住民説明会の開催を。
要旨2 社会福祉法人による移動支援など、異なる運営主体でのバス運行でフォローアップを。
日本共産党 個人質問
宮本 さとし 議員 9月11日(木) 10時半頃~
件名1 公共交通の存続を目指すために。
要旨1、バス路線の廃止や減便により、低所得者層をはじめ市民にとって、運賃の負担増となる。
- 低所得者層、免許返納高齢者、子育て世代も含め、バスを利用しやすくする取り組みを。
- バスのおでかけチケット・乗り継ぎ割引の復活、通学定期への補助、シニアカー購入補助などでバス利用の機運づくりを。
- 10月には現在の近大病院に行くバスが河内長野市からはなくなるが、その案内はあるのか。また、新しい近大病院に行く推奨コースを広く周知する必要があるのでは。
要旨2、今までバスを利用していない人もバスを利用したくなる仕組みづくりを。
- マイカー送迎をする通勤・通学者へアンケートを実施するなど、バスを利用していない人の声も聞け。
- 限定版クーポン付きバスチケットの発行は。
- 「モックルMaaS」はどの程度の利用者があるのか。また、その傾向は。補助の継続とPR活動が必要では。(公民館や福祉センターで利用方法の説明を受けることができる仕組みづくりなど)
件名2 パブリックコメントで出された「(仮称)河内長野市こどもたちをいじめか ら守り悩みに寄り添う条例(案)」について、その主旨を問う。
件名3 公有地の中で放置に近い状態となっている土地はどの程度あるのか。
要旨1、コミュニティ・プラント施設の跡地など、維持管理に経費がかかるだけとなっている過去の施設は計画的に解消すべきではないか。
要旨2、緑地の維持管理は市民の要望に応えられているのか。計画的に予算をつけて整備するべきでは。
にわ 実 議員 9月11日(木) 15時半頃~
件名1 当市の生活保護世帯について。
要旨1、先日、生活保護費の引き下げは、最高裁判所で憲法違反の判決が出され確定されました。これに対し厚生労働省は、謝罪のコメントも出していません。
- この判決に該当する当市の世帯数とその総額は。
- 生活保護世帯の手続きは、法定受託事務であり厚生労働省からの通達があればすぐに返還事務ができるよう準備すべきでは。
要旨2、既存の生活保護世帯のエアコン設置について。先日、受給者の方から「猛暑の中エアコンがないので扇風機2台を使い、暑さをなんとかしのいでいます。エアコン設置補助金制度はないのですか」といい、悲鳴に近いお手紙をいただきました。命に関わる緊急事態です。
- 当市の生活保護世帯中、エアコンが設置されていない世帯数は。
- 早急に調査し、該当世帯にエアコンが設置されるようにすべきでないか。
- 生活保護世帯に対しては、暖房費の冬期加算があります。今後は夏期エアコン電気代加算を国に要請すべきでは。
件名2 住みよいまちづくりについて。
要旨1、3次救急医療機関で災害拠点病院指定の近畿大学病院が11月に堺市へ移転する。市民からは不安の声が上がっている。
まずは大阪南医療センターが災害拠点病院になるよう、市は全力で連携協力すべきでは。
- 市として協力できる要素は何か。
- 例えばヘリポート・備蓄倉庫・応急処置場所・自家発電機設置の自己完結型・24時間体制・消防機関と連携などはどうか。
要旨2、市道高向三日市線(通称よしや峠)の道路拡幅工事について。
- まだ隣地との境界線を確定し、道路拡幅工事をスタートできないのか。
- まだ取りかかれないなら、安全対策のため谷側の路肩が脆弱で不安感の残る箇所にガードレールなどを取り付けられる程度まで早期に補強すべきでないか。
要旨3 地震対策の中で家具転倒防止補助制度を創設すべきでは。
件名3 2050年までにCO₂ 排出ゼロを達成するために。
要旨1、今年の夏の異常気象は、気象庁が1898年から統計を取り始めて以来の史上最高気温を記録したと発表されました。これらの原因は、日本だけでなく世界中の気象学者が膨大な数値データを根拠に地球温暖化が止まっていないことを示しています。
- 当市は今年度も再生可能エネルギー導入促進補助金制度を充実させて努力されていますが、どう見ても2050年までにCO₂ 排出ゼロを達成するには程遠い状態です。市の抜本的な対策は。
- 長野県飯田市のように事業者にも市民にも多様な省エネ・省資源対策を講ずるべきではないか。